FXの日足を使った手法を探すとき、「どこを見ればよいのか」「日足だけで売買を決めてよいのか」が気になると思います。
わたしが初心者へ最初にお伝えしている見方は、日足のチャートで、ローソク足がボリンジャーバンドの2σをブレイクしたかを確認することです。ただし、これは判断を身につけるための練習の入口です。その目印だけで、実際の売買判断が完結するわけではありません。
こんにちは、榊󠄀原です。今回は、日足で何を見るのかと、そこから実際のトレードへ進むときに何を分けて考えてほしいのかをお話しします。
日足で最初に見るのは、ボリンジャーバンド2σのブレイク
日足は、1日分の値動きを1本のローソク足で表したものです。4時間足や1時間足は、それぞれ4時間、1時間の値動きを1本にまとめます。同じ相場でも、どの長さで区切って見るかが違うんですね。時間足の基本は、SBI FXトレードのチャート解説でも確認できます。
わたしの初心者指導では、まず日足を表示し、ボリンジャーバンドを2σに設定して、ローソク足がそのバンドをブレイクした箇所を探してもらいます。2σは「にシグマ」と読みます。判定するのは、日足の終値が2σの外側で確定したかどうかです。
ヒゲだけが2σの外へ出ても、終値がバンドの内側に戻って確定した場合は、ここでいうブレイクには含めません。ローソク足ができている途中の動きだけで決めず、終値で確かめます。
下の図は、ボリンジャーバンド全体と前後の値動きを示した模式図です。赤丸の白い陽線は、実体の上端にある終値が上側の2σの外で確定しています。その後、上下のバンドの間隔が広がっていく形も描いています。実際の値動きの再現ではなく、見方を説明する一例です。
初めから指標をいくつも足したり、複数の画面を行き来したりするのではなく、まず確認する対象を一つに絞ります。チャートのどこに目を向けるのかが決まると、自分が何を練習しているのかもはっきりします。
ただ、ここで説明しているのは、わたしが最初に見てもらう目印です。「2σを抜けたら、すぐ買う・売る」というエントリー条件としては使わないでください。入るタイミングや出口まで含めた売買ルールとは、分けて理解していただきたいところです。

日足だけに絞るのは、判断を一つずつ身につけるため
わたしは、投資を才能やセンスだけで決まるものとは考えていません。テニスやゴルフと同じように、知識を学び、練習を重ねて身につける技術だと考えています。
そのため、初心者へ教えるときも、知識をたくさん渡すことを優先していません。今の段階で必要な判断と行動に絞り、できるようになってから次を加えていきます。
日足だけを見る練習も、その考え方の一つです。初めてチャートを見る方に、いきなり複数の時間軸を確認してもらうと、どこで迷っているのかまで分かりにくくなります。まずは同じ条件を見つけられるようになることを目指します。
目印が見つからない日もあります。その日は、確認したうえで終える。毎日何かを見つけようとして、条件に近いだけのところまで拾う必要はありません。
「見つけた」と「見つからなかった」の両方を確かめることも、条件を見分ける練習なんですね。
ブレイクを見つけたら、その後の方向を予想する
わたしの初心者指導では、日足でブレイクした箇所を探し、その後の値動きの方向を予想するところまでを、まず練習してもらいます。
次は、同じ条件を使ってデモトレードでエントリーする段階です。デモトレードは、実際のお金を使わずに取引を練習できる仕組みです。見ること、予想すること、注文の操作をすることを、一度に全部始めず、段階を分けています。
この練習で確かめたいのは、「自分が教わった条件を、実際のチャートでも見つけられるか」です。説明を読んで分かったつもりでも、画面で同じように判断できるとは限りません。
予想した方向へ動いたかを見ることに加えて、そもそも目印の見つけ方が合っていたかも確かめます。違っていれば、その箇所を修正して、もう一度同じ確認を繰り返します。
慣れたら複数の時間軸を見る段階へ進みます。練習の進み方には個人差がありますから、急いで次へ進むことより、前の確認ができているかを大切にしています。
実際の判断では、日足以外の時間軸も見る
では、わたし自身のトレードも日足だけで決めているのかというと、そうではありません。
日足で大きな流れを確認し、4時間足・1時間足で条件が整う場面を選んでいます。時間の長さが異なるチャートを組み合わせて見る「マルチタイムフレーム分析」です。
日足での練習は、完成した判断の一部分を取り出して身につけるものです。日足だけで練習を始めることと、実際の売買も日足だけで完結させることは、同じではないんですね。
例えば、大きな流れは上向きでも、小さな流れは下へ向かおうとしていることがあります。わたしが教えるルールでは、大きな流れと小さな流れの方向がそろうところを大切にしていますが、知識として分かっていても、実際にはそろっていない場面で入ってしまうことがあります。
だから、日足で目印を見つけたあとも、ほかに確認する条件があることを理解しておいてください。複数の時間軸を見ることだけで、売買判断のすべてが完了するという意味でもありません。
日足の手法でも、入る条件と出口・資金管理を一緒に考える
手法を学ぶと、どこでエントリーするかに目が向きやすいと思います。ただ、取引を振り返るときに確認するのは、入った場所だけではありません。
わたしは、学んだ条件で入ったか、タイミングが早すぎたり遅すぎたりしなかったか、損切り位置、利確位置を確認しています。損切りは損失を確定して取引を終えること、利確は利益を確定して取引を終えることです。
どの条件で入り、どこで終えるのか。そして、損失が出たときに資金がどれだけ減るのか。日足を使う場合も、ここまでを一緒に考える必要があります。
日足の目印を見つけられても、出口や取引数量が曖昧なままなら、資金管理まで準備できたことにはなりません。チャートの見方を覚える練習と、実資金で取引する準備を混同しないようにしていただければと思います。

勝ったかどうかと、条件通りに判断できたかを分ける
デモトレードでも、勝ち負けが出ると結果が気になると思います。けれども、勝ったから判断が正しく、負けたから間違いだったとは限りません。
わたしの添削では、利益が出ていても教えた条件と違うところで入っていれば修正します。反対に、ルール通りに判断した取引が負けた場合は、その結果だけで判断の誤りとはしません。
ここを分けないと、たまたま勝った入り方を、そのまま正しい条件として覚えてしまうことがあります。次の練習では、損益だけでなく、自分が何を見て判断したのかも確かめてください。
具体的な確認項目は、FXトレードの振り返り方でも説明しています。ルール通りに判断できることと、将来の利益が保証されることは別です。
まずは、日足で何を確認しているのかを言葉にする
日足を使った手法を学ぶなら、まずは自分が見ている条件を言葉にしてみてください。今回お伝えした入口は、「日足で、ローソク足がボリンジャーバンドの2σをブレイクしたかを見る」です。
そして、その確認が目印を探す練習なのか、売買に必要な条件まで学んだ段階なのかも整理してみてください。分からない条件は、分かったことにせず、学んでいる教材や教える人に確かめることが大切です。
練習を小さく分ける理由は、FX初心者の練習の順番にもまとめています。
一つの見方を知ったら、実際のチャートで確かめ、判断を修正しながら繰り返す。日足を使って、少しずつ自分で判断できることを増やしていただければと思います。



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