FXの勉強を始めると、チャートの下に表示される「RSI」という線を目にすることがあります。
「70を超えたら売り、30を下回ったら買い」と覚えている方も多いかもしれません。しかし、RSIはその数字だけを見て売買を決めるものではありません。
わたしがRSIを使う大きな目的は、価格とRSIの動きが逆になる「ダイバージェンス」を確認し、エントリーを見送るべき場面を見つけることです。
この記事では、RSIの意味、70と30の見方、ダイバージェンスの確認方法を、初心者の方にも分かるように図を使って説明します。
動画で確認したい方は、YouTubeの「初心者のためのRSI・ダイバージェンス基礎知識講座」もあわせてご覧ください。
RSIとは「買われすぎ・売られすぎ」を見る指標
RSIは「Relative Strength Index(リレーティブ・ストレングス・インデックス)」の略です。日本語では「相対力指数」と呼ばれますが、英語名や日本語訳を暗記する必要はありません。
ただし、MT4でRSIを表示するときは、インジケーターの一覧に「Relative Strength Index」と表示されます。「RSI」という名前だけを探すと見つけられないことがあるので、ここだけ覚えておくと迷いにくいです。
インジケーターは、値動きを判断しやすくするためにチャートへ表示する補助的な指標です。大きく分けると、相場の方向を見る「トレンド系」と、値動きの過熱感を見る「オシレーター系」があります。
RSIはオシレーター系に分類され、一定期間の値動きから、買いと売りのどちらの勢いが強いかを0から100の数値で表します。
難しく考えず、まずは「今の相場は一方向へ動きすぎていないかを見るメーター」と考えていただければ大丈夫です。
RSIの70と30は何を表しているのか
RSIでは、一般的に次のように見ます。
- 70以上:買われすぎの目安
- 30以下:売られすぎの目安

たとえばRSIが70を超えたら、「買いの勢いがかなり強くなっているので、そろそろ上昇が落ち着く可能性はないか」と考えます。反対に30を下回ったら、「売りの勢いが強くなっているので、そろそろ反発する可能性はないか」と見ます。
ここで大切なのは、70や30が反転を保証する数字ではないことです。
強い上昇トレンドでは、RSIが70以上のまま価格が上がり続けることがあります。強い下降トレンドなら、30以下の状態が続くこともあります。そのため「70を超えたから、すぐ売る」「30を下回ったから、すぐ買う」と機械的に判断するのは危険です。
RSIは未来を当てる道具ではなく、今の値動きに注意が必要かを教えてくれる補助材料だと考えてください。
わたしがRSIで重視するのはダイバージェンス
RSIの一般的な使い方は、買われすぎ・売られすぎの確認です。ただ、わたしがより重視しているのは「ダイバージェンスが発生しているか」という点です。
ダイバージェンスとは、日本語で「逆行現象」と呼ばれます。
価格は上がっているのにRSIは下がっている、または価格は下がっているのにRSIは上がっている。このように、価格とRSIが反対方向へ動いている状態です。
ダイバージェンスは、続いてきたトレンドの勢いが弱くなり、流れが変わる可能性を考える手がかりになります。ただし、出現したから必ず反転するわけではありません。わたしは新しく売買するための合図というより、今までと同じ方向へ入ってよいかを慎重に判断する注意信号として使っています。
上昇トレンドでは「山と山」を比べる
上昇している相場でダイバージェンスを探すときは、チャートの山と山、RSIの山と山を比べます。
価格の山が前より高くなり、RSIの山も前より高くなっていれば、両方が同じ方向へ進んでいます。これは通常の動きで、上昇トレンドが続く可能性を考えられる形です。
一方、価格は前の高値を超えているのに、RSIの山は前より低くなっている場合があります。価格は上向き、RSIは下向きです。これが上昇時のダイバージェンスです。

この形が出たら、上昇の勢いが弱くなっている可能性があります。そのため、いつも通りに押し目買いをするのではなく、いったんエントリーを控えます。
「押し目買い」とは、上昇の途中で一時的に価格が下がったところを買うことです。上昇トレンドではよく使われる考え方ですが、ダイバージェンスが出ている場面では、そのまま上昇が続かない可能性にも目を向ける必要があります。
下降トレンドでは「谷と谷」を比べる
下降している相場では、チャートの谷と谷、RSIの谷と谷を比べます。
価格の谷が前より低くなり、RSIの谷も前より低くなっていれば、両方が同じ方向へ進んでいます。下降トレンドが続く可能性を考えられる通常の形です。
ところが、価格の谷は前より低いのに、RSIの谷は前より高くなることがあります。価格は下向き、RSIは上向きです。これが下降時のダイバージェンスです。

この場面では、戻り売りを控えます。
「戻り売り」とは、下降の途中で一時的に価格が上がったところを売ることです。下落が続くと考えれば売りたくなる場面ですが、RSIが逆行しているなら、ここから価格が上昇へ向かう可能性もあります。
実際のチャートでは2つの高値を結んで確認する
実際のチャートを見るときも考え方は同じです。
次の図では、上段の価格が前の高値を超えています。一方、下段のRSIは前の山より低くなっています。チャートの山とRSIの山をそれぞれ線で結ぶと、向きが逆になっていることが分かります。

初心者のうちは、チャート全体を一度に見ようとすると混乱しやすいものです。次の順番で確認してみてください。
- 相場が上昇しているか、下降しているかを見る
- 上昇なら山を2つ、下降なら谷を2つ見つける
- 同じ位置にあるRSIの山または谷を確認する
- 価格とRSIが同じ方向か、逆方向かを比べる
上昇なのにRSIが下向き、下降なのにRSIが上向きなら、ダイバージェンスの可能性があります。
RSIを見るときに初心者が気をつけたい3つのこと
1.RSIだけで売買を決めない
RSIは便利ですが、単独で未来の値動きを確定できるものではありません。70や30、ダイバージェンスは、あくまで判断材料の一つです。相場の方向や、自分のエントリールールと一緒に確認してください。
2.山と谷を混ぜない
上昇相場では山と山、下降相場では谷と谷を見ます。価格の山とRSIの谷を比べても、正しいダイバージェンスの確認にはなりません。同じ時間の高値同士、または安値同士を比べることが大切です。
3.ダイバージェンスを見つけても急いで逆方向へ入らない
ダイバージェンスは反転の可能性を示す手がかりですが、反転を保証しません。見つけた瞬間に逆張りをするのではなく、まずはそれまでの方向へのエントリーを控える。この使い方から始めると、判断が複雑になりにくいです。
まとめ:RSIは危ないエントリーを避けるためにも使える
RSIは、買われすぎ・売られすぎを見るオシレーター系のインジケーターです。一般的には70以上を買われすぎ、30以下を売られすぎの目安として見ます。
そして、わたしが特に重視するのはダイバージェンスです。
- 上昇相場では、価格の山とRSIの山を比べる
- 下降相場では、価格の谷とRSIの谷を比べる
- 価格とRSIが逆方向なら、その方向へのエントリーを控える
大切なのは、サインを見つけたら必ず取引することではありません。危ない可能性がある場面を見つけ、見送ることも立派な判断です。
まずは過去のチャートで山と山、谷と谷を見比べ、ダイバージェンスを自分で見つける練習をしていただければと思います。
※本記事はFXの学習を目的としたもので、利益を保証するものではありません。FXには元本を失うリスクがあります。実際の取引は、ご自身の判断と責任で行ってください。



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