「これまで投資で、どれくらい損失を出しましたか?」
この質問への答えは、投資資金だけで見ると約400万〜500万円です。さらに、教材や情報商材、自動売買ソフトなどに使ったお金まで含めると、総額は1000万円近くになると思います。
細かな金額は記憶をたどった概算ですが、決して小さな失敗ではありません。
わたしがこの話をするのは、大きな損失を自慢したいからでも、「失敗しなければ成長できない」と言いたいからでもありません。むしろ反対です。これから投資を始める方には、わたしと同じ遠回りをする前に、手法だけではなく、資金管理と心理も一緒に学んでほしいと考えています。
この記事では、どのような失敗を重ねたのか、なぜ約10年間も同じことを繰り返したのかを、初心者の方にも分かる言葉でお話しします。
投資の損失は約400万〜500万円。教材費まで含めると約1000万円
最初に、金額の考え方を分けておきます。
- FXや株など、実際の運用で失った資金:約400万〜500万円
- 教材、情報商材、自動売買ソフトなどの購入費を含む総額:約1000万円
どちらも、わたしが過去の経験を振り返って出した概算です。「投資の損失」と「投資を学ぶために使った支出」を分けて考えると、このような全体像になります。

教材を買うこと自体が悪いわけではありません。正しい知識を学ぶためにお金を使うことは必要です。ただし、当時のわたしは、一つの内容を練習して身につける前に、次の手法や教材を探していました。そのため、お金を使っても自分の判断力として残らなかったんですね。
50冊ほど本を読んでも、最初の100万円を失った
わたしが本格的に投資と向き合い始めたのは、2006年頃です。
投資を始める前には、本を50冊ほど読みました。当時の自分としては、かなり勉強したつもりでした。「これだけ読んだのだから、ある程度は分かっている」と思っていたんですね。
ところが、実際の取引は知識どおりには進みませんでした。
最初の大きな失敗は、FXのポンド円です。ポンド円とは、イギリスの通貨であるポンドと日本円を売買する「通貨ペア」の一つです。通貨ペアとは、どの通貨を買い、どの通貨を売るのかという組み合わせを指します。
わたしは口座に約100万円を入れて取引を始めましたが、その資金を失いました。本を読んで相場の知識を得ていても、実際にどれだけの金額を取引し、予測が外れたらどこでやめるのかという準備が足りていなかったのです。
シグナル配信、自動売買、第三者への運用依頼にも手を出した
その後は、自分で判断するよりも「うまくいく方法を知っている誰か」に頼ろうとしました。
たとえば、シグナル配信を利用したことがあります。シグナル配信とは、「ここで買いましょう」「ここで売りましょう」といった売買の合図が届き、その指示に合わせて取引するサービスです。自分で相場を判断しなくてもよいように見えるため、初心者には魅力的に感じられるかもしれません。
しかし、わたしはこの方法でも、最終的に100万円ほどの資金を失いました。
競馬の自動売買ソフトを購入したこともあります。自動売買とは、あらかじめ決められた条件に従い、ソフトが自動で取引する仕組みです。ソフトだけで約90万円かかり、運用に入れた資金も最終的には失いました。短期的に増えた時期があっても、長くは続かなかったのです。
さらに、知人を通じて「プロのトレーダーに運用してもらえる」という話を聞き、50万円を預けたこともありました。そのお金も失いました。
今振り返ると、どの場面でも共通していたのは、自分で仕組みやリスクを十分に理解しないまま、結果を誰かや何かに預けていたことです。
FX以外にも手を広げたが、長期的には何一つ勝てなかった
わたしが経験したのはFXだけではありません。
株式、IPO、日経225先物、バイナリーオプション、ブックメーカーのアービトラージなど、さまざまな方法に手を出しました。
IPOは、企業が新しく株式市場へ上場するときに、その株を購入する投資です。日経225先物は、日経平均株価が将来どの水準になるかを予想して取引します。バイナリーオプションは、一定時間後に価格が上か下かなどを予測する取引です。アービトラージは、同じ対象についた価格差を利用して利益を狙う方法を指します。
一時的に勝つことはありました。しかし、長い期間で見ると資金を残せませんでした。
一つの投資で負けると、しばらくやめる。少し時間がたつと、別の投資や新しい手法を見つけて再開する。そして、また負ける。
この繰り返しを、わたしは約10年間続けました。

最大の原因は「手法だけ」に注目していたこと
なぜ、これほど長く失敗を繰り返したのか。
今のわたしには、原因がはっきり分かります。手法だけに注目していたからです。
手法とは、「どの条件で買うか」「どの条件で売るか」といった取引のやり方です。FXでいえば、どこでエントリーするかを決めるルールが中心になります。エントリーとは、新しく取引を始めることです。
もちろん、手法は必要です。売買の基準がなければ、感覚だけの取引になってしまいます。
ただし、手法を知っているだけでは長く続けられません。どれだけ良さそうな手法でも、1回の取引に大きな資金を入れすぎれば、数回の失敗で資金を大きく減らします。損失が出たときに感情が乱れ、決めたルールを破れば、その手法を正しく続けることもできません。
当時のわたしは、負けるたびに「この手法が悪かった」「次はもっと勝てる方法を探そう」と考えていました。しかし、変えるべきだったのは手法だけではなかったのです。
投資を長く続けるために必要な3つの土台
わたしが考える正しい投資知識には、大きく3つの要素があります。
1.手法
どのような条件で取引を始め、どこで利益や損失を確定するのかというルールです。入口だけでなく、取引を終える条件まで必要です。
2.資金管理
1回の取引で、どれだけの損失までなら受け入れられるかを管理する考え方です。資金管理がなければ、数回の負けで続けられなくなるほど資金を減らす可能性があります。
3.心理
利益が出たときの欲や、損失が出たときの恐怖・焦りと向き合うことです。人はお金が増減すると、普段どおりの判断が難しくなります。心理を学ぶとは、気合いで感情を消すことではありません。自分がどのような場面でルールを破りやすいかを知り、行動を整えることです。

この3つは、3本脚のテーブルに似ています。どれか1本だけ立派でも、ほかの脚がなければ安定しません。
手法を学びながら、資金を守る基準を決める。さらに、損失が出てもルールを守れるように練習する。この3つを一緒に身につけることが、長く投資を続けるための土台になります。
大きな失敗を経験する必要はない
投資を長く続けている人の中には、一度は大きな失敗を経験した人もいます。わたし自身も、その一人です。
ただし、だからといって「まずは大きく負けたほうがよい」ということではありません。失敗から学べることはありますが、失わずに済むお金まで失う必要はないんですね。
これから始める方は、いきなり「どの手法が一番勝てるか」だけを探すのではなく、次の3点を確認してみてください。
- 取引を始める条件と終える条件を、自分の言葉で説明できるか
- 予測が外れたときに失う金額を、取引前に把握しているか
- 損失や焦りが出たときも、決めたルールを守る練習をしているか
誰かの合図やソフトを使う場合でも、仕組みとリスクを自分で説明できなければ、判断を丸ごと預けることになります。まずはデモトレードや少額の取引で練習し、結果だけでなく「ルールどおりに判断できたか」を確かめることが大切です。
検証とメンタルの関係については、検証がメンタルを鍛えられる3つの理由でも詳しくお話ししています。わたしが失敗からどのように学び直したのかは、投資でも人生でも失敗しまくったわたしが、なぜ投資で成功できたか?も参考にしていただければと思います。
まとめ|損失額よりも、同じ失敗を繰り返さないことが大切
わたしは、投資資金だけで約400万〜500万円、教材やソフトなども含めると1000万円近くを使いました。
この経験で最も大きかった問題は、単に選んだ投資が悪かったことではありません。手法ばかりを追いかけ、資金管理と心理を含めて学ばないまま、判断を誰かや何かに預け続けたことです。
大きな損失は、経験しないほうがよいものです。だからこそ、これから投資を始める方には、入口のテクニックだけでなく、資金を守る方法と自分の心理まで含めて学んでいただければと思います。
今回の内容は、YouTube動画「【ご質問コーナー】これまで投資で、どれくらいの損失額を出していますか?」でもお話ししています。
※FXを含む投資は、元本や利益が保証されるものではありません。相場状況や取引方法によっては、大きな損失が生じる可能性があります。取引の仕組みとリスクを理解し、ご自身の資力・経験・目的に照らして判断してください。



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