FXで負けを取り戻したいときに|私が決めた停止ルールと習慣化

「負けを取り戻したいとき。その日は止める、ルールを習慣に」と示し、講師がノートPCを閉じ、白い子犬と取引を終えるイラスト。 メンタル・習慣化

FXで負けた直後、「次の一勝で取り戻したい」と思って、普段より大きなロットで取引していませんか。

わたし自身も、勝てなかった頃に繰り返していました。小さな利益を出しては大きな損失を出し、その負けを早く戻そうとして、さらに損失を大きくしていたんですね。

そこで加えたのが、「負けたら、その日はもうトレードをしない」というルールです。一日置くことで気持ちが落ち着き、改めて判断を確認できるようになりました。

ただ、このルールを知っただけで実行できるようになるわけではありません。今回は、取り戻したくなる心理とわたしの経験、そしてルールを行動として身につけるための練習についてお伝えします。

「次の一勝で戻したい」とロットを増やしていました

当時のわたしは、小さく勝った記憶より、大きく負けた記憶の方が強く残っていました。利益を出したことがあっても、大きな損失を出すと、その負けが頭から離れなくなるんです。

そして、早く取り戻したい気持ちに駆られ、それまでのトレードよりロット数を増やしていました。ロット数は、取引する量のことです。同じように価格が動いても、取引量が大きくなれば、利益だけでなく損失も大きくなります。

次に勝てば、負け分を一気に戻せる。そう考えて、自分で決めていた資金管理のルールを破っていたんですね。

ところが、その取引でもまた負けてしまう。結果として、最初の負けに加えて、さらに大きな損失を出していました。わたしが振り返って伝えたいのは、取り戻したいという気持ちが、普段のルールを変える理由になっていたことです。

本人の経験を、負けを取り戻したい気持ち、ロット数の増加、さらなる損失の順に示す。取り戻したい気持ちから資金管理のルールを破っていた流れ。

利益よりも損失を重く感じやすい人間の心理

わたしは普段、「人間は投資で負けるようにできている」とお伝えすることがあります。これは、感情のままに判断すると、投資で不利な行動を取りやすい人間の心理がある、という意味です。

その一つとして知っておきたいのが、プロスペクト理論で扱われる「損失回避」です。同じ金額であっても、利益を得ることより、損失を出すことを重く評価する傾向を指します。TverskyとKahnemanの研究でも、この利益と損失の受け止め方の違いが示されています。

例えば、1万円の利益を得る喜びと、1万円の損失を出す痛み。金額は同じでも、気持ちの上では同じ重さになりにくいんですね。

わたしの場合、小さな勝ちより大きな負けが強く記憶に残り、「早く戻したい」という気持ちにつながっていました。心理の特徴を知ることと、自分が負けた直後にどう反応しているかを知ること。その両方が大切だと考えています。

わたしが決めた「負けた日はトレードをしない」というルール

負けた直後は、頭に血が上ってしまう。取り戻すことが気になって、冷静な判断ができなくなる。わたしには、そうした反応がありました。

そこで、負けたらその日はもうトレードをしない、と決めました。その日のうちに負け分を戻そうとせず、一日置くようにしたんです。

自分の場合は、時間が経つことで気持ちが落ち着きました。そして、もう一度しっかり判断を確認できるようになりました。負けた直後の気持ちのまま、次の取引を続けないことが必要だったんですね。

このルールは、「少し休んだら、その日のうちに再開する」というものではありません。わたしが自分に課したのは、負けた日はそれ以上取引しないという停止のルールです。

もし、あなたも負けた直後にロットを増やしたくなるなら、その場で取引を続ける前に、自分が冷静に判断できる状態かを確かめてみてください。わたしのように、その日は止めて一日置くことも、一つの方法として考えていただければと思います。

ルールを知るだけでは、すぐに守れるようにはならない

「負けたら、その日はもうやらない」。言葉としては難しいルールではありません。でも、それを聞いたからすぐに行動できるかというと、そこには難しさがあります。

知識としては分かっていても、実際に負けると取り戻したくなる。頭では止めた方がよいと理解していても、気持ちが先に動いてしまう。だからこそ、ルールを覚えることに加えて、そのとおりに行動する練習が必要なんです。

わたしが投資の習慣化を大切にしているのは、このためです。ルールを自分のスキルとして身につけるには、同じ判断手順と行動を繰り返す練習期間が欠かせません。

知識とトレーニングをセットで身につける

わたしが目指してほしいとお伝えしているのは、毎回意識して自分に言い聞かせなくても、決めた手順に沿って自然に行動できるくらい身についた状態です。

負けたら、その日は取引を終える。時間を置き、落ち着いてから判断を確認する。こうした行動も、繰り返して身につける練習に含まれます。

「ルールは分かっているから、もう練習はいらない」とせず、知っていることを実際の行動へ変えていく。そのために、知識とトレーニングをセットで考えていただきたいんですね。

ルールを知る、繰り返し練習する、行動として身につける、という学びの流れ。負けた日はトレードしないルールも練習することを示す。

知識を判断や行動へ定着させる話は、チャートを見続けない環境の作り方でもお伝えしています。

取り戻したい気持ちが出てくる自分を知り、そのときに取る行動を決めておく。そして、決めた行動を繰り返していく。

わたしにとって「負けた日はトレードをしない」は、そのための具体的なルールでした。あなたも、ルールを知ることと、そのルールを実行するトレーニングを一緒に考えてみてください。

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