FXのトレード日記には、取引日時や損益に加えて、「何を見て入り、どこに損切りと利確を決めたか」を残してみてください。後から自分のルールと照らし合わせられる形にすることが大切です。
利益が出た日も、損失が出た日も、金額だけではそのときの判断まで分かりません。日記を、次に確かめることが分かる記録にしていきましょう。
わたしは、投資を才能やセンスではなく、練習によって身につける技術だと考えています。スクールでも、勝敗にかかわらず取引を振り返り、判断が学んだルールに合っていたかを確認しています。
この記事では、その考え方をもとに、トレード日記の記録項目と記入例を提案します。ここで紹介する様式は、わたし自身が使っている日記の公開ではなく、あなたが記録を始めるための一例です。
トレード日記に何を書く?まずは三つに分ける
書く内容は、「取引の事実」「そのときの判断」「振り返って確かめること」に分けると整理できます。
取引の事実は、日時、通貨ペア、買いか売りか、取引数量、入った価格と決済した価格、損益です。取引数量は、どれだけの通貨を売買したかという意味です。数量と損益額を一緒に残せば、値動きだけでなく、いくらの資金を動かした結果だったかも確認できます。
判断として残したいのは、見ていた時間足、入ると決めた条件、予定していた損切り・利確の位置です。時間足は、一本のローソク足が表す時間の長さのこと。どのチャートを見て判断したかが分かるようにします。
そして取引後に、実際の行動がその予定と合っていたかを書き足します。予定と実際を別の欄にしておくと、どこで判断を変えたかをたどれます。
「今日は負けた。次は気をつけよう」だけだと、次に何を確かめればよいかが残りません。「条件がそろう前に入った。次は条件の成立を確認してから判断する」なら、行動まで具体的になりますね。
そのまま使えるトレード日記のテンプレート
ノートなら一回の取引ごとに同じ見出しを書き、Excelなら項目を列にして使ってみてください。以下は記録欄の提案です。すでに履歴で確認できる数字は、履歴の取引番号と結び付ける方法でも構いません。
| 区分 | 残す内容 |
|---|---|
| 基本情報 | エントリーと決済の日時、通貨ペア、買い・売り、取引数量 |
| 入る前の判断 | 見ていた時間足、確認した条件、入る理由 |
| 入る前の予定 | エントリー価格、損切り価格、利確価格、想定する損失額 |
| 実際の結果 | 実際のエントリー・決済価格、決済理由、損益額 |
| 判断の確認 | 条件、入るタイミング、損切り位置、利確位置がルールと合っていたか |
| 次の確認 | ずれた点、分からなかった点、次に確かめる行動 |
損切りは損失を確定して取引を終えること、利確は利益を確定して終えることです。価格を書くだけでなく、自分のルールのどの条件に基づいた位置なのかも短く添えると、見直す際の手掛かりになります。
文章だけで場面を説明しにくければ、チャート画像も一緒に残す形を提案します。通貨ペアと時間足が分かる画像に、入った位置と損切り・利確の予定位置を示しておく。使う時間足が複数なら、確認したチャートを対応させると、何を見ていたかを伝えやすくなります。

入る理由は先に、結果と振り返りは後に書く
書くタイミングも分けてみましょう。入る理由と出口の予定は、取引の前に残します。損益や決済理由、予定から変えたことは、取引が終わってから足します。
全部を取引後に書こうとすると、値動きの結果を見てから、入った理由を説明する形になりがちです。取引前に書いた理由があれば、後からの見方と区別できます。
ただし、記録のために注文や損失管理の確認がおろそかになっては困ります。長い文章を仕上げる必要はありません。条件の名前と判断理由を短く残し、画像や結果を後で整理する形でもよいと考えています。
例えば、記入練習として次のような場面を考えてみてください。これは実際の取引や受講生の事例ではありません。
「入る前:学習中の条件のうち、一つをまだ確認できていない。それでも入れそうだと感じた」
「取引後:利益で終わった。ただし、条件をすべて確認する前にエントリーしていた」
「次の確認:次回は、未確認の条件を確認してからエントリーの可否を判断する」
この記録なら、利益が出た事実と、確認が抜けていた行動を分けられます。自分を責めるために書くのではなく、次の判断で確かめられる言葉へ変えることが目的です。
過去の取引から書き始める場合、入った理由を思い出せないこともあるでしょう。そこは「当時の理由は記録なし」と残し、後からチャートを見て考えたことは「今の見方」として追記してください。分からない欄をもっともらしい理由で埋める必要はありません。
わたしが振り返りで見るのは、勝敗と判断の両方
わたしがスクールの振り返りで確認しているのは、学んだ条件で入ったか、エントリーが早すぎたり遅すぎたりしなかったか、損切り位置と利確位置がルール通りだったかです。
ルールから外れた判断で勝っていた場合は、利益が出たことだけで正しいとせず、修正をお伝えします。反対に、ルール通りに判断した取引が負けても、その結果だけで判断まで間違いだったとはしません。
そのため、日記にも「損益」と「ルールに沿って判断できたか」を別々に残す形をすすめます。どちらか一方だけで評価を終えないためです。
もちろん、ルールを守ったという記録だけで、その手法の有効性が証明されるわけではありません。ルール自体を検証することと、学んだルールをその場で使えたかを確かめることは、分けて考える必要があります。
四つの確認項目の詳しい意味は、FXトレードの振り返り方で説明しています。日記の欄を用意した後、何と照らし合わせればよいか迷ったときに読んでみてください。

続かないときは、長文より同じ欄を使う
ノートかExcelか、アプリか。選ぶ際は、短く書き込めるか、チャートと記録を結び付けられるか、後から同じ項目を見返せるかを確かめてみてください。使い慣れた道具で、その三つを満たせるなら、まずそこから始めてよいと思います。
毎回の感想を長く書くより、同じ欄に同じ観点を残す。忙しい方には、まずこの形を提案します。気持ちが判断に影響したと気づいたときは、「焦って確認を飛ばした」など、実際の行動と一緒に一言添えるとよいでしょう。
記録した後は、週末など見返せる時間を一つ決める方法もあります。同じ確認漏れが続いていないかを探し、次の練習で扱う点を絞ります。毎回すべてを直そうとせず、まず自分がどこで迷っているかを言葉にしてみてください。
取引していない日に、日記を埋めるための売買をする必要はありません。判断に迷った場面を学習材料にするなら、「何を確認し、なぜ見送ったか」を別枠に残せます。その後に価格が動いても、見送った取引を実際の利益・損失へ足してはいけません。
次の一件は、判断を確かめられる記録にする
次の記録では、損益の横に「何を確認して入ったか」と「予定と違ったところ」を添えてみてください。デモトレードで練習している段階でも、同じように記録できます。
見直しても条件の読み方が分からなければ、その箇所を質問として残す。「この条件が成立したと判断したが、読み方が合っているか」と画像を添えれば、どこを確かめたいのかが具体的になります。
わたしが大切にしているのは、知識を実際の判断と行動へつなげることです。書いた量より、次に何を確かめるかが分かる日記にしていただければと思います。


コメント