FXで負ける原因④「損切りできない」|損切り位置を動かす3つの原因と2つの対策

講師と白い子犬が損切りラインを動かさないよう確認するFX初心者向け記事の画像 9割の人が負ける理由

「損切りラインまで来たけれど、もう少し待てば戻るかもしれない」

「一度だけ損切り位置を遠くへ動かそう」

FXをしていると、このように考えてしまう場面があります。実際に損切りされた直後、予想していた方向へ価格が動くこともあるため、「切らなければ勝てたのに」と後悔した経験がある方もいると思います。

しかし、損切りをしないことや、損切り位置を都合よく動かすことを繰り返すと、たった一度の大きな値動きで、それまでの利益や大切な資金を失いかねません。

結論からお伝えすると、損切りできない問題は、気合いや根性だけでは解決しません。大切なのは、エントリー前に「なぜここで損切りするのか」を決め、値動きのシナリオを用意しておくことです。

この記事では、損切りできない3つの原因と、決めた損切りを守るための2つの対策を、FX初心者の方にも分かるように解説します。

そもそも損切りとは?初心者向けに意味を確認

損切りとは、保有しているポジションを決済し、損失を確定して取引を終えることです。ポジションとは、FXで通貨を買っている、または売っている状態をいいます。

「損失を確定する」と聞くと、失敗を認めるようで抵抗を感じるかもしれません。しかし、損切りの目的は、その取引に勝つことではなく、想定外の値動きから資金を守り、次の取引を続けられる状態を残すことです。

たとえば、買いでエントリーしたあと、最初に考えた上昇の根拠が崩れたとします。それでも「いつか戻るだろう」と持ち続ければ、どこまで損失が増えるか分かりません。

損切り位置を遠くへ動かす行為も同じです。当初は小さな損失で終える計画だったのに、含み損が増えるたびに出口を遠ざければ、損失の上限がなくなってしまいます。

損切りポイントに達しても損切りしない、または損切り位置を動かすと大きな損失につながることを示す図

損切りしないトレードは、いつか大きな損失につながる

短い期間だけを見れば、損切りしなかったことで助かることはあります。いったん下がった価格が戻り、結果として利益で終わる場合もあるからです。

ただし、その成功体験だけを頼りに長く続けるのは危険です。相場では、過去の値動きからは考えにくい急落や急騰が起こることがあります。そのときに損失の上限を決めていなければ、一度の取引で資金を大きく減らしてしまいます。

わたし自身も、投資を始めたころに同じ失敗をしました。

2006年ごろ、ポンド円を251円付近で買いました。ポンド円とは、イギリスの通貨であるポンドと日本円を組み合わせた通貨ペアです。当時のわたしは、損切りを入れない方法で取引していました。

ところが、エントリー後に価格は大きく下がっていきました。損失を限定する準備をしていなかったため、最終的には資金を失う経験をしています。

今振り返れば、本当に愚かな取引だったと思います。しかし、この経験があるからこそ、損切りを入れないことは、長くトレードを続けるうえで避けなければならない行為だと強く感じています。

FXで損切りできない3つの原因

損切りできない人は、単に意志が弱いわけではありません。動画でお伝えした原因は、大きく3つあります。

FXで損切りできない原因は、戻った経験、曖昧な損切り基準、事前シナリオがないことだと示す図

原因1.損切り後に価格が戻った経験が残っている

一度損切りになったあと、自分が予想していた方向へ価格が動くことはあります。わたし自身、今でも経験します。

すると、「今回も少し待てば戻るのではないか」「前回は損切りしなければ勝てた」と考えやすくなります。その記憶が、損切り位置を動かす理由になってしまうんですね。

ただし、前回戻ったことは、今回も戻る根拠にはなりません。損切りは未来を完璧に当てる仕組みではなく、最初の想定が外れたときに損失を限定する仕組みです。損切り後に価格が戻る取引があっても、それだけで損切りの必要性がなくなるわけではありません。

原因2.明確な損切り基準を設けていない

二つ目の原因は、「なぜそこが損切りポイントなのか」を自分で説明できないことです。

なんとなく20pips下、前回と同じ幅など、根拠が曖昧なまま損切りを置くと、価格が近づいたときに「少しくらい動かしてもよいだろう」と考えやすくなります。pipsとは、通貨の値動きを表す共通の単位です。

大切なのは、損切りまでの幅だけではありません。「この価格を超えたら、買いを考えた前提が崩れる」「この安値を下回ったら、想定していた上昇の流れではない」というように、損切りとエントリー根拠をつなげる必要があります。

原因3.エントリー前にシナリオを立てていない

FXでいうシナリオとは、未来を当てる予言ではありません。どのような条件ならエントリーし、その後どのように動けば保有し、どこまで逆行したら取引を終えるかという事前の計画です。

シナリオがないと、価格が動くたびに判断が変わります。含み損が増えた場面で初めて出口を考えるため、「もう少し待ちたい」という感情が入りやすくなります。

反対に、エントリー前から想定が崩れる条件を決めていれば、損切りはその場で考えた罰ではなく、最初の計画を実行する行動になります。

対策1.エントリー前に損切りポイントと根拠を決める

一つ目の対策は、エントリーする時点で明確な損切りポイントを設定することです。

先に価格だけを決めるのではなく、次の順番で考えてみてください。

  1. どの値動きを根拠に買う、または売るのか
  2. どの状態になったら、その根拠が崩れたと判断するのか
  3. その判断に対応する損切り価格はどこか
  4. その損失額を自分の資金で受け入れられるか

損切り位置を決めても、取引数量が大きすぎれば、実際の損失額は重くなります。取引数量とは、何通貨分を売買するかという大きさです。損切り幅と取引数量をセットで考え、受け入れられない損失になるなら、損切りを遠ざけるのではなく、取引数量を下げるか、そのエントリーを見送ります。

注文時には、あらかじめ逆指値注文を設定する方法もあります。逆指値注文とは、指定した価格に達したら決済する予約注文です。画面や設定方法はFX会社によって異なるため、利用している会社の案内を確認してください。

大切なのは、相場が動いて感情が強くなる前に、損切りまで決めておくことです。

対策2.検証でシナリオを立てる力を身につける

二つ目の対策は、過去のチャートを使った検証です。

検証とは、自分のルールを過去の値動きに当てはめ、どのような場面で勝ち、どのような場面で損切りになったかを確かめる作業です。

エントリー前に損切りの根拠を決め、検証で勝ち負けのパターンを蓄積する2つの対策を示す図

最初からシナリオを立てるのは簡単ではありません。見たことのない値動きに対して、先の展開を考える材料が少ないからです。

わたしは、投資には暗記の要素があると考えています。

英語を学ぶとき、ある程度の英単語を覚えることで文章を読めるようになります。FXも同じで、検証を通して勝ちパターンと負けパターンを頭へ入れると、現在のチャートがどのパターンに近いかを判断しやすくなります。

特に大切なのは、勝った場面だけではなく、負けた場面も見ることです。「この形は自分のルールに似ているけれど、条件が足りない」「この流れでは損切りが続きやすい」と分かれば、安易なエントリーを避けられます。

シナリオの基本は、あなたはシナリオを立てて投資をしていますか?で詳しくお話ししています。検証を続ける意味については、検証がメンタルを鍛えられる3つの理由も参考にしていただければと思います。

次の取引前に確認したい5つの項目

損切り位置を動かしてしまう方は、次の取引から、注文前に以下の5つを書き出してみてください。

  • エントリーする条件は何か
  • その条件が崩れるのは、どのような値動きか
  • 損切り価格はどこか
  • 損切りになった場合の金額はいくらか
  • 利確の条件または目標はどこか

書いてみて、損切りの理由を説明できないなら、まだエントリーの準備が整っていません。無理に取引せず、見送ることも大切な判断です。

また、エントリー後に損切り位置を変えたくなったら、「新しい分析が必要になった」のではなく、「損失を確定したくない気持ちが強くなっていないか」を一度確認してください。

まとめ|損切りは資金を守り、次の取引を続けるための行動

FXで損切りできない主な原因は、次の3つです。

  • 損切り後に価格が戻った経験が残っている
  • 明確な損切り基準を設けていない
  • エントリー前にシナリオを立てていない

対策は、エントリー前に損切りポイントと根拠を決めること。そして、検証を通して勝ち・負けのチャートパターンを覚え、シナリオを立てる力を身につけることです。

損切りできない原因と、エントリー前の損切り設定、検証によるシナリオ力という対策をまとめた図

損切りは、1回の取引で自分が間違っていたと責めるためのものではありません。大きな損失を避け、次の機会にも落ち着いて取り組める状態を残すための行動です。

まずは次のエントリーで、注文ボタンを押す前に「どこで損切りするか」だけでなく、「なぜそこで損切りするのか」まで言葉にしてみてください。その準備が、損切り位置を動かさず、ルールに沿って淡々と取引する第一歩になります。

今回の内容は、YouTube動画「FXで9割が負ける原因④『損切りできない(損切り位置を動かしてしまう)』その原因と対策を解説」でもお話ししています。

※FXを含む投資は、元本や利益が保証されるものではありません。相場状況や取引方法によって損失が生じる可能性があります。仕組みとリスクを理解し、ご自身の資力・経験・目的に照らして判断してください。

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